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Ujamaa

今回はタンザニア社会に関する考察。

タンザニアはコネ社会。
県庁でも「彼/彼女の父親はどこかの部署の部長」なんて話は
よく聞くし、どこか世襲を感じさせる社会がある。

とはいえ就職先を探すといっても「リクナビ」や「デューダ」が
あるわけではないし、「ホットペッパー」が必要なほど店が多いわけでもない。
就職には誰かの紹介が必要になる。

世襲に似た文化にはもう一つの側面がある。
エライ人は金を稼ぐので子供をよい学校に通わせることができ、
教養のある人間に育つ為、エライ人の子供は得てしてよい人材となる。
結果、父親が働く様な稼ぎのいい就職先に就くことができる。
一方でカネを稼げない親の子供がどうなるかは・・絶対ではないが、
逆もまた真といえる。

日本の世襲は「血縁」を意識した、氏神などの仏教的宗教背景や財産相続、
一族意識なんかが先立って生まれたのだと思われるけど、ここでは少し背景が
異なる印象を受ける。


次に「助け合い(saidiana)」の社会。
社会福祉が存在しないタンザニアで、ホームレスの様な毎日の食事に
困る人が飢え死にしないのは、この社会機能が働いているからだと思われる。
富をもつ人間が物乞いを受けた場合、貧へその日限りの銭を与えたり、
食べ物を分け与えたりする。近所同士での救済や、血縁同士での救済も
多く行われている。広くを「友達」とし、また「brother(ndugu)」とよびあう
文化も、このsaidianaに起因しているのかもしれない。

このタンザニア社会を基に考案され、実行されたのが「ウジャマー政策」。
「baba wa taifa(国の父)」として知られるタンザニア初代大統領ニェレレは、
タンザニア社会を複数のウジャマーとして単位(具体的には村単位)し、
ウジャマーごとに生産した食料を皆で共有して均等に分配することで
ウジャマー内での食いっぱぐれが発生しないように目論んだ社会主義的政策。
当時はタンザニアの社会にあった画期的な政策だったらしい。
ただ社会主義は社会の生産性が極限まで伸ばし続けられる事、個々人の
私利私欲が介在しないことが大前提なので、最終的には破綻してしまった。

話は逸れるが、日本にもタンザニアに似た助け合い文化があった。
終身雇用に見られる雇用形態(能力の低い先輩社員を優秀な
部下がカバーする)や、ご近所付き合いの町内会などが挙げられる。
それに勤勉な民族性に高度経済成長が重なって生産性が劇的に伸びた事で、
一時は「社会主義に一番近い資本主義国」として知られたらしい。
マルクスの経済論によれば、成熟した資本主義の次の段階が社会主義とされている。


話を戻して、現地人の集団意識の高さが、別の方向に働く事がある。
それが、「モーブ・ジャスティス(集団制裁)」。集団リンチ。
犯罪者(窃盗など)が誰かに捕まると、オーディエンスはその犯人を集団で
殺してしまう。殴り殺したりタイヤを被せて火をつけたり・・・。
サッカーでフーリガンが暴徒と化すように、彼らもまたこのときは暴徒化する。
いつでもフレンドリーな彼らが豹変する様子は考えるだけでも恐ろしいが・・。
住民からすればこのモーブジャスティスは、治安を維持する目的もあるらしい。
確かにこのモーブジャスティスは犯人としても恐ろしく、どんな小さな窃盗でも
制裁で殺されるかもしれないのだから、なかなか実行できない。
捕まったら、何よりも先に警察に引き渡される事を望む。

タンザニアにおける人口:警察人員数の比率は1400:1と、
国際基準450:1に比べ低い。その割に治安が安定しているのは、
このモーブジャスティスが働いているのか、単に穏かな民族性なのかは
分からない。


そして格差社会。
saidianaの社会と相反する内容に見えるが、歴史的な順序としては
saidianaが先で、国の発展につれて格差社会が色濃くなってきたんだと思う。

タンザニア近代社会のシステムは、地位のある人間は多くの金を手にし、
地位のない人間には殆ど金が入らない仕組みになっている。
言うならば格差が格差を生む社会。
発展途上国のご多分に漏れず、賄賂や脱税などが横行している為、
この仕組みはなかなか変わらない。

悪さをして金を儲けた人間が、誰かに告発されようとすれば
当然金を握らせるに決まっている。
告発する人間が地位がない人間だったら、生活にすら苦しいのだから
受け取ってしまうのは仕方がない。
金を受け取ってしまった人間はそのまま悪さを続けて上に上がり、
受け取っていた金を、渡す側に変わる。

この社会で生活に貧窮した人間が賄賂を手にしたとして、
誰がその人を裁けるのだろう?

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